ドイツで1000年を超える歴史を持つ伝統企業「Dr.グランデル社」の研究者にして、国際美容学会シデスコ名誉会長の ニーナ・ハース 女史の著作「インサイド・コスメティック」を、ヘルメス・ジャパン社長
小林真一が日本語訳して出版した書籍です。
「身体の内面からの美容」を説くハース氏の主張は、全国のエステティシャン必読のロングセラー書籍として広く愛読され、これまでに重版十二刷を数えております。
伝統的ドイツ生薬の神秘と近代医学の粋をドッキングさせた「素肌美のためのやさしい栄養科学」を、より多くの人にご覧いただけましたら嬉しく思います。
「身体の内面からの美容」を説くハース氏の主張は、全国のエステティシャン必読のロングセラー書籍として広く愛読され、これまでに重版十二刷を数えております。
伝統的ドイツ生薬の神秘と近代医学の粋をドッキングさせた「素肌美のためのやさしい栄養科学」を、より多くの人にご覧いただけましたら嬉しく思います。
シデスコ(CIDESCO)という国際組織をご存知でしょうか。
”美”を追及する世界の人々が、美容界・化粧品業界・関連医学会といったそれぞれの垣根を取り払い、領域を超えて手をつなぎあい、総合的な”美”の研究開発を目指して結成された国際的な組織団体です。
1946年、第二次世界大戦の直後にベルギーで結成され、今年で三五年目を迎えるにいたりました。この間、年を追って加盟国も増加し、今では約40ヵ国を数えています。
毎年一回開催される年次国際会議には、世界を代表する美容界のリーダーや皮膚科・神経科・形成外科などの専門医、生理学・栄養学・薬理学など”美”を生み出すための基礎科学の研究科、それに化粧品業界や設備機器の関係者など広範囲の人々が集まって、総合的な”美”に関して加盟メンバー全員の知識と技術のレベルアップを目指す真剣な討議が行われます。
日本は1970年にオランダのアムステルダムにおいて開かれた第24回会議の場で加盟が承認され、今日ではシデスコを支える有力なメンバーの一つとなっています。
”美”を追及する世界の人々が、美容界・化粧品業界・関連医学会といったそれぞれの垣根を取り払い、領域を超えて手をつなぎあい、総合的な”美”の研究開発を目指して結成された国際的な組織団体です。
1946年、第二次世界大戦の直後にベルギーで結成され、今年で三五年目を迎えるにいたりました。この間、年を追って加盟国も増加し、今では約40ヵ国を数えています。
毎年一回開催される年次国際会議には、世界を代表する美容界のリーダーや皮膚科・神経科・形成外科などの専門医、生理学・栄養学・薬理学など”美”を生み出すための基礎科学の研究科、それに化粧品業界や設備機器の関係者など広範囲の人々が集まって、総合的な”美”に関して加盟メンバー全員の知識と技術のレベルアップを目指す真剣な討議が行われます。
日本は1970年にオランダのアムステルダムにおいて開かれた第24回会議の場で加盟が承認され、今日ではシデスコを支える有力なメンバーの一つとなっています。
私、ニーナ・ハースは大学で皮膚医学を専攻し、病院での実地臨床教育を受けた後、1952年にドイツの代表的植物栄養学者であるフェリックス・グランデル博士が率いるカイムディエット(現・Dr.グランデル社)に迎えられ、皮膚美容の研究を続けながら、生理学に基づいた化粧品とダイエットの研究に取り組んできました。
こんな私が、シデスコ・西ドイツ支部の一員に加えられたのは、グランデル博士のカイムディエットに迎えられたのと同時でした。
こんな私が、シデスコ・西ドイツ支部の一員に加えられたのは、グランデル博士のカイムディエットに迎えられたのと同時でした。
1980年3月、前会長ラウダ博士急逝の後を受けてシデスコ国際本部の会長に就任した私を待ち受けていた初めての大役が、東京で開催される第三十四回国際会議だったのです。
東京での年次会議は私にとって会長としての初体験であるのみならず、シデスコ国際本部にとっても初めて経験することでした。
シデスコ国際会議は第1回のベルギー大会以来、ヨーロッパ各地の都市をその時々の開催地として選んできましたが、ヨーロッパを離れて遠く海を渡っての国際会議はまだ一度も行われたことはなかったのです。
日本の関係者の熱意によって、東京帝国ホテルを会場に4000名にものぼる参加者を得て成功裡に終了し、初体験に一抹の不安を抱いていた私たちを安堵させました。
東京での国際会議開催が決定した時、私には一つのひそかな楽しみが生まれていました。
東洋の国日本は、私たちにとってまだまだ神秘的な物を残しています。私たちの祖母の時代より、日本はヨーロッパ女性にとってシルクとパールの送り主でした。
四季に恵まれ、やわらかい水の豊富な国に住む日本の女性の肌は、シルクやパールのそれのようにきめが細かく、海からの幸である魚を多食するためかヨーロッパ女性のような肌荒れはおきないのだ、と聞かされていた私たちは、それをこの目で確かめる好機と思ったのです。
来日した結果は―ストレイトに申し上げるのは、いささかはばかられるのですが―私の期待を大きく裏切るものでした。
日本女性の肌は、決してきめが細かくもないし、肌も荒れている……。
もちろん、各人それぞれの個人差はあっても、基本的には私たちヨーロッパ女性と変わることなく、肌のトラブルを大なり小なりかかえている女性たちの何と多いことか。
国民総生産の目覚ましい上昇と共に、急ピッチに欧風化したと言われている食生活の変化によるものか、それとも大気汚染に代表される生活環境の変化によってのことなのか、あるいはその双方の影響を受けて……。
皮膚美容とバイオロジーを生涯の研究テーマとする私が、ひそかにモデルと考え、その美しさの秘密をさぐることを楽しみにしていただけに、現実に目の前にする日本女性の肌の状態はショッキングでありました。
私はグランデル博士の指導のもとに、私のライフワークとなった「内面美容」―インサイド・コスメティック―を、本来もっと美しい肌を持っていたはずの日本の方々にも紹介する必要を痛感し、本書を著わすこととしたのです。
東京での年次会議は私にとって会長としての初体験であるのみならず、シデスコ国際本部にとっても初めて経験することでした。
シデスコ国際会議は第1回のベルギー大会以来、ヨーロッパ各地の都市をその時々の開催地として選んできましたが、ヨーロッパを離れて遠く海を渡っての国際会議はまだ一度も行われたことはなかったのです。
日本の関係者の熱意によって、東京帝国ホテルを会場に4000名にものぼる参加者を得て成功裡に終了し、初体験に一抹の不安を抱いていた私たちを安堵させました。
東京での国際会議開催が決定した時、私には一つのひそかな楽しみが生まれていました。
東洋の国日本は、私たちにとってまだまだ神秘的な物を残しています。私たちの祖母の時代より、日本はヨーロッパ女性にとってシルクとパールの送り主でした。
四季に恵まれ、やわらかい水の豊富な国に住む日本の女性の肌は、シルクやパールのそれのようにきめが細かく、海からの幸である魚を多食するためかヨーロッパ女性のような肌荒れはおきないのだ、と聞かされていた私たちは、それをこの目で確かめる好機と思ったのです。
来日した結果は―ストレイトに申し上げるのは、いささかはばかられるのですが―私の期待を大きく裏切るものでした。
日本女性の肌は、決してきめが細かくもないし、肌も荒れている……。
もちろん、各人それぞれの個人差はあっても、基本的には私たちヨーロッパ女性と変わることなく、肌のトラブルを大なり小なりかかえている女性たちの何と多いことか。
国民総生産の目覚ましい上昇と共に、急ピッチに欧風化したと言われている食生活の変化によるものか、それとも大気汚染に代表される生活環境の変化によってのことなのか、あるいはその双方の影響を受けて……。
皮膚美容とバイオロジーを生涯の研究テーマとする私が、ひそかにモデルと考え、その美しさの秘密をさぐることを楽しみにしていただけに、現実に目の前にする日本女性の肌の状態はショッキングでありました。
私はグランデル博士の指導のもとに、私のライフワークとなった「内面美容」―インサイド・コスメティック―を、本来もっと美しい肌を持っていたはずの日本の方々にも紹介する必要を痛感し、本書を著わすこととしたのです。
第一章 美の追求 ― それは女性にとって永遠のテーマ
健康に支えられた美しい肌は女性美の原点
美しくありたいと願う心は時代を超え、人種を超えて、また年齢を問わず、女性なら誰しもが持っている共通のものではないでしょうか。
では、その”美しさ”というものを私たちは何によって表現するのでしょう。
ファッションでしょうか。ヘア・スタイルでしょうか。それともお化粧によって……。
たしかに、そうした外見の装いも”美しさ”を演出するのに必要な手段ではありましょう。まして、情報時代といわれる今日、私たちはテレビの映像や雑誌の写真などによって世界の流行のうつりかわりを居ながらに知ることが出来ますし、化粧品店では美容社員によるお化粧のテクニックを学ぶことも容易です。
美容院のウィンドウには様々な髪かたちの見本がそろっていて、好みのヘア・スタイルを選ぶことも出来ます。
でも、果たしてこの様な外見の装いを整えることだけで、私たちは自分自身の”美しさ”を充分に表現していると言いきれるでしょうか。
最新流行の衣装を脱ぎ、お化粧をおとした生のままの自分の身体をつくづく眺めなおした時、外見の装いで飾りたてた姿との差異があまりにも大きすぎるとしたら、かえってみじめな気持にされるのではないでしょうか。
では、その”美しさ”というものを私たちは何によって表現するのでしょう。
ファッションでしょうか。ヘア・スタイルでしょうか。それともお化粧によって……。
たしかに、そうした外見の装いも”美しさ”を演出するのに必要な手段ではありましょう。まして、情報時代といわれる今日、私たちはテレビの映像や雑誌の写真などによって世界の流行のうつりかわりを居ながらに知ることが出来ますし、化粧品店では美容社員によるお化粧のテクニックを学ぶことも容易です。
美容院のウィンドウには様々な髪かたちの見本がそろっていて、好みのヘア・スタイルを選ぶことも出来ます。
でも、果たしてこの様な外見の装いを整えることだけで、私たちは自分自身の”美しさ”を充分に表現していると言いきれるでしょうか。
最新流行の衣装を脱ぎ、お化粧をおとした生のままの自分の身体をつくづく眺めなおした時、外見の装いで飾りたてた姿との差異があまりにも大きすぎるとしたら、かえってみじめな気持にされるのではないでしょうか。
外見的な装いが一つの手段であるにすぎず、充分なものとは言いきれないとしたら、では私たちが本当に頼りにしてよい物は一体何なのでしょう。
考えてみて下さい。古来から、それこそ化粧品などがまだこの世に出る以前、クレオパトラや楊貴妃がその美しさを讃えられたのは外見の装いが巧みであったからでしょうか。
彼女たちが彼女自身に備えていた真の美しさは、健康美に輝く「玉の肌」と「つややかな髪」によるものであったはずなのです。
美しい肌と、自然の光沢に輝く髪は、古代よりまさに女の命でした。
神話に登場する女神たちが、我が身を水にうつして長い髪をくしけずる姿は絵画の世界でしばしばお目にかかるところです。
また、古代ローマの貴婦人たちは、せっせと入浴して肌を磨いたものでした。
美しい肌と、つややかな髪に世の男性達は魅了され、時として世界を動かすほどの魔力を持っていたのです。
健康に支えられた美しい肌・髪、これこそ女性美の原点である―このテーゼは現代にあっても少しも変わるところはありません。
いや、むしろ現代にあってこそ、よりしっかりと認識されなければならないことでしょう。
考えてみて下さい。古来から、それこそ化粧品などがまだこの世に出る以前、クレオパトラや楊貴妃がその美しさを讃えられたのは外見の装いが巧みであったからでしょうか。
彼女たちが彼女自身に備えていた真の美しさは、健康美に輝く「玉の肌」と「つややかな髪」によるものであったはずなのです。
美しい肌と、自然の光沢に輝く髪は、古代よりまさに女の命でした。
神話に登場する女神たちが、我が身を水にうつして長い髪をくしけずる姿は絵画の世界でしばしばお目にかかるところです。
また、古代ローマの貴婦人たちは、せっせと入浴して肌を磨いたものでした。
美しい肌と、つややかな髪に世の男性達は魅了され、時として世界を動かすほどの魔力を持っていたのです。
健康に支えられた美しい肌・髪、これこそ女性美の原点である―このテーゼは現代にあっても少しも変わるところはありません。
いや、むしろ現代にあってこそ、よりしっかりと認識されなければならないことでしょう。
美しい素肌はそれだけで充分に魅力的なものですが、お化粧を施す場合でも素肌が整っていてはじめてメークアップが映えようというものです。
どんなに上手に装おうとしても、ベースとなる素肌が損なわれていたのでは、化粧品ののりも悪くうまくいきません。
傷んだキャンパスの上に絵具を塗りたくった様な、無残な結果が残ります。
美しい素肌こそが、美容の原点なのです。
こんなにも大切な、女の命とも言うべき素肌について、意外なほどみなさんは関心を払っていないのではないでしょうか。もっと真剣であってもよいはずではありませんか。
どんなに上手に装おうとしても、ベースとなる素肌が損なわれていたのでは、化粧品ののりも悪くうまくいきません。
傷んだキャンパスの上に絵具を塗りたくった様な、無残な結果が残ります。
美しい素肌こそが、美容の原点なのです。
こんなにも大切な、女の命とも言うべき素肌について、意外なほどみなさんは関心を払っていないのではないでしょうか。もっと真剣であってもよいはずではありませんか。
みなさんは身体の調子が悪くなるとどうするでしょう。
もし内臓器官に疾患が表れれたとしたら、たちまち大騒ぎをすることでしょう。
あわてて「医者よ、薬よ」と狂奔するはずなのに、肌の健康状態についてはいささか無関心。心づかいが欠けているのではないでしょうか。
肌は身体の内部に大切に納められている内臓とは異なり、直接外界の気温の変化や細菌、ほこり等の攻撃にさらされているのですから、肌の健康状態はどうか、疲れてはいないかということにももっと関心を持ってやりましょう。
顔色が悪い、つやがなくなった、吹出物が出てきた……といったように、肌はいろいろな信号を出してあなたに訴えているのです。
それにもっと耳を傾けてこたえてあげなければいけません。
あなた自身の大切な肌なのですから。
もし内臓器官に疾患が表れれたとしたら、たちまち大騒ぎをすることでしょう。
あわてて「医者よ、薬よ」と狂奔するはずなのに、肌の健康状態についてはいささか無関心。心づかいが欠けているのではないでしょうか。
肌は身体の内部に大切に納められている内臓とは異なり、直接外界の気温の変化や細菌、ほこり等の攻撃にさらされているのですから、肌の健康状態はどうか、疲れてはいないかということにももっと関心を持ってやりましょう。
顔色が悪い、つやがなくなった、吹出物が出てきた……といったように、肌はいろいろな信号を出してあなたに訴えているのです。
それにもっと耳を傾けてこたえてあげなければいけません。
あなた自身の大切な肌なのですから。
ところで、肌が健康で美しい、というのは具体的にどういった状態を言うのでしょうか。
(1)血色が良い
(2)きめが細かい
(3)なめらかで、すべすべしている
(4)しっとりと潤いがある
(5)やわらかく、しかも張りがある
(6)日焼けやシミなどの色素沈着がない
(7)湿疹や吹出物、かぶれがない
(8)シワやたるみがない
髪の具合はどうでしょう。
(1)自然の光沢がある
(2)切れ毛、枝毛がない
(3)パサつきやベトベトがなく、サラッとしている
では、爪についてはどうでしょうか。
(1)自然のつや、光沢がある
(2)割れたり、さけたりしていない
(3)適度にやわらかく、弾力性がある
いかがでしょうか、あなた自身とくらべてみては。私たちの肌や髪や爪が、どれほど過酷な環境下にあるかがわかったような気がしませんか。
(1)血色が良い
(2)きめが細かい
(3)なめらかで、すべすべしている
(4)しっとりと潤いがある
(5)やわらかく、しかも張りがある
(6)日焼けやシミなどの色素沈着がない
(7)湿疹や吹出物、かぶれがない
(8)シワやたるみがない
髪の具合はどうでしょう。
(1)自然の光沢がある
(2)切れ毛、枝毛がない
(3)パサつきやベトベトがなく、サラッとしている
では、爪についてはどうでしょうか。
(1)自然のつや、光沢がある
(2)割れたり、さけたりしていない
(3)適度にやわらかく、弾力性がある
いかがでしょうか、あなた自身とくらべてみては。私たちの肌や髪や爪が、どれほど過酷な環境下にあるかがわかったような気がしませんか。
ここに掲げた理想的な肌の条件をすべて満たしているものがあります。
それは赤ちゃんの肌です。
赤ちゃんの肌は、きめの細かさといい、張りといい、潤いといい、つやといい、どれ一つをとってみても本当にうらやましいぐらいにきれいですね。なぜ、あんなにつるつると美しいのでしょう。
赤ちゃんは出来たてのほやほやです。
赤ちゃんの身体を構成している細胞のすべてが新品そのものであるからです。
すべて新品の細胞でスタートした私たちの身体も、年々成長し成熟してゆくにつれて細胞のすべてが新品というわけにはいかなくなってきます。
古くなった細胞が増えてくるにつれて、私たちの身体は少しずつ老化してゆきます。
でも、科学する心を持つか持たないかで、老化の進み具合はずいぶん違ってきます。
それは赤ちゃんの肌です。
赤ちゃんの肌は、きめの細かさといい、張りといい、潤いといい、つやといい、どれ一つをとってみても本当にうらやましいぐらいにきれいですね。なぜ、あんなにつるつると美しいのでしょう。
赤ちゃんは出来たてのほやほやです。
赤ちゃんの身体を構成している細胞のすべてが新品そのものであるからです。
すべて新品の細胞でスタートした私たちの身体も、年々成長し成熟してゆくにつれて細胞のすべてが新品というわけにはいかなくなってきます。
古くなった細胞が増えてくるにつれて、私たちの身体は少しずつ老化してゆきます。
でも、科学する心を持つか持たないかで、老化の進み具合はずいぶん違ってきます。
物質文明の進歩と逆に、大気汚染や食品公害など、私たちを取り巻く生活環境はずいぶんと悪化してきています。
肌に合わぬ化粧品や化学繊維の衣料による刺激、オフィスや通勤電車の中にまで必要以上とも思える冷暖房……。
私たちの肌は常にストレスにさらされ、目に見えないところで知らず知らずに冒されています。
どうも、現代社会は私たちの肌にとっては快適と言えない環境にあるのではないでしょうか。
私たちの周辺には、「肌に何のトラブルもない」と自信の持てる女性のいかに少ないことか。みんな大なり小なりに悩みをかかえています。
現代社会の環境が私たちに多大の影響を与えているからに他ならないのです。
今こそ私たちは、かけがえのない財産である
素肌の美しさを守るための「科学する心」を持つべき時なのです。
肌に合わぬ化粧品や化学繊維の衣料による刺激、オフィスや通勤電車の中にまで必要以上とも思える冷暖房……。
私たちの肌は常にストレスにさらされ、目に見えないところで知らず知らずに冒されています。
どうも、現代社会は私たちの肌にとっては快適と言えない環境にあるのではないでしょうか。
私たちの周辺には、「肌に何のトラブルもない」と自信の持てる女性のいかに少ないことか。みんな大なり小なりに悩みをかかえています。
現代社会の環境が私たちに多大の影響を与えているからに他ならないのです。
今こそ私たちは、かけがえのない財産である
素肌の美しさを守るための「科学する心」を持つべき時なのです。
2,健康と若さを保つ肌のしくみ
私たちの身体は50兆から60兆という莫大な数の細胞から成り立っています。
この信じられないほどの莫大な数の細胞の一つ一つが生命を持ち、それぞれが必要な栄養素を摂り入れ、そこで生じた老廃物を捨てながら活動を続けています。
この活動を新陳代謝と呼びます。
個々の細胞に供給される栄養素には、酸素をはじめ、ブドウ糖・脂肪・たんぱく質・アミノ酸・ビタミン・ミネラル・ホルモン等があり、一方老廃物としては、二酸化炭素・アンモニア・硫酸・乳酸・尿素等があります。
細胞に栄養素を送り込み老廃物を運び出す運搬の役目を担っているのが血液であり、従ってその輸送路に相当するのが血管ということになります。
この信じられないほどの莫大な数の細胞の一つ一つが生命を持ち、それぞれが必要な栄養素を摂り入れ、そこで生じた老廃物を捨てながら活動を続けています。
この活動を新陳代謝と呼びます。
個々の細胞に供給される栄養素には、酸素をはじめ、ブドウ糖・脂肪・たんぱく質・アミノ酸・ビタミン・ミネラル・ホルモン等があり、一方老廃物としては、二酸化炭素・アンモニア・硫酸・乳酸・尿素等があります。
細胞に栄養素を送り込み老廃物を運び出す運搬の役目を担っているのが血液であり、従ってその輸送路に相当するのが血管ということになります。
細胞に与えられるべき栄養素が欠乏したり、運搬輸送面にトラブルが発生したりして細胞に充分な栄養素が行き渡らないとすればどうなるでしょうか。
当然、その細胞の新陳代謝活動が鈍ることになります。
細胞には脳や神経あるいは心臓の筋肉細胞のように再生の利かないものと、一般の筋肉・臓器・皮膚・血液などの細胞のように、古くなった細胞が新しい細胞に交代してゆくものとの二種類があります。
再生の出来ない細胞も、新陳代謝活動によってその生命を保っており、再生型の細胞も新陳代謝の働きによって、新しく生まれかわることが出来るのです。
従って、細胞の新陳代謝活動が鈍ってしまうと、その細胞で構成されている器官や組織の活動力や再生力が低下してしまいます。それぞれの器官や組織に老化が始まることとなるわけです。
肌すなわち皮膚もまた細胞によって構成されており、新陳代謝による活動を続けながら、外気に直面して種々の刺激と戦っています。
私たちの肌はその表面のすぐ近くまで毛細血管が張り巡らされています。
この中を流れる血液がスムースに栄養素の補給を続けている限り、肌を構成する細胞は活発な新陳代謝によって生き生きと活動し、肌の自然の美しさを保ってくれるのです。
私たちの肌はその表面のすぐ近くまで毛細血管が張り巡らされています。
この中を流れる血液がスムースに栄養素の補給を続けている限り、肌を構成する細胞は活発な新陳代謝によって生き生きと活動し、肌の自然の美しさを保ってくれるのです。
ところで、肌すなわち皮膚は単に私たちの身体をおおっているだけではありません。
暑さ寒さを感じたり、触覚・痛覚などの知覚作用を持つことをはじめ、体温を一定に保つために熱放散を調節する作用や、肺呼吸に比べるとはるかに低い比率ではあるものの、いわゆる皮膚呼吸を行っており、また太陽光線や微生物などの刺激に対抗する保護作用など、こうして数え上げてみると意外なほどに多くの機能を持って働いています。
単なるボディ・カバーどころか、内臓器官と同様に立派に働いてくれていることを改めて認識しましょう。
暑さ寒さを感じたり、触覚・痛覚などの知覚作用を持つことをはじめ、体温を一定に保つために熱放散を調節する作用や、肺呼吸に比べるとはるかに低い比率ではあるものの、いわゆる皮膚呼吸を行っており、また太陽光線や微生物などの刺激に対抗する保護作用など、こうして数え上げてみると意外なほどに多くの機能を持って働いています。
単なるボディ・カバーどころか、内臓器官と同様に立派に働いてくれていることを改めて認識しましょう。
皮膚の機能はまた、内臓の機能と密接にかかわりあっています。
内臓の機能障害はたちどころに皮膚に反映しますし、また逆に皮膚の機能に障害が起こればダイレクトに内臓に悪影響を及ぼします。
例えば、胃が衰えれば口の周りがただれたり吹出物が出たりしますし、肝臓が悪くなってくると顔色に表れます。
ベテランの医者は患者の顔色を見るだけで病状をはかることが出来るといわれるほどです。
一方、皮膚機能が弱っていて、気温の変化に対応する体温調節作用がうまく行われないと風邪をひきやすくなります。
このように皮膚と内臓とは血液の循環を通じて密接に結び付き、相互に影響しあっているのです。
要するに、健康的で美しい肌を保つためには、血管の健全な状態、血液の純粋さと共に内臓の健康な状態が前提条件として要求されることとなります。
内臓の機能障害はたちどころに皮膚に反映しますし、また逆に皮膚の機能に障害が起こればダイレクトに内臓に悪影響を及ぼします。
例えば、胃が衰えれば口の周りがただれたり吹出物が出たりしますし、肝臓が悪くなってくると顔色に表れます。
ベテランの医者は患者の顔色を見るだけで病状をはかることが出来るといわれるほどです。
一方、皮膚機能が弱っていて、気温の変化に対応する体温調節作用がうまく行われないと風邪をひきやすくなります。
このように皮膚と内臓とは血液の循環を通じて密接に結び付き、相互に影響しあっているのです。
要するに、健康的で美しい肌を保つためには、血管の健全な状態、血液の純粋さと共に内臓の健康な状態が前提条件として要求されることとなります。
第二章 女性の美しさを左右する栄養バランス
栄養素もパートナー次第でマイナスに
私たちは身体を維持していくためにいろいろな食物を摂り入れています。
食物の中に含まれているさまざまな栄養素を身体が求めているからです。
ところが現実には、私たちが生きていくために摂り入れているこれらの栄養素も、やっかいなことに時として身体にとって有用な面だけではなく、逆に障害をもたらす面をもあわせ持っています。
相反する二面を持つ、まさに両刃の剣びようなものと言えましょう。
その代表的な物が酸素です。
私たちが生きていく上で、酸素の必要性は言うまでもないことですが、この酸素には一方で体内にせっかく摂り入れた栄養素に作用して酸化損傷、すなわち破壊してしまうという恐ろしい性質が備わっています。
食物の中に含まれているさまざまな栄養素を身体が求めているからです。
ところが現実には、私たちが生きていくために摂り入れているこれらの栄養素も、やっかいなことに時として身体にとって有用な面だけではなく、逆に障害をもたらす面をもあわせ持っています。
相反する二面を持つ、まさに両刃の剣びようなものと言えましょう。
その代表的な物が酸素です。
私たちが生きていく上で、酸素の必要性は言うまでもないことですが、この酸素には一方で体内にせっかく摂り入れた栄養素に作用して酸化損傷、すなわち破壊してしまうという恐ろしい性質が備わっています。
また脂肪は、三大栄養素の一つとして貴重なエネルギー源ですが、これの過剰摂取は肥満の原因となり、血液を濁らせて環境を弱めます。
こうしたことは、リノール酸についても言えることです。
コレステロールの代謝分解に役立つとして最近特にもてはやされている栄養素ですが、良い面だけがあまりにも強調され過ぎているように思われます。
リノール酸は不飽和状態にある脂肪酸ですから、きわめて酸素と結びつきやすい状態にあり、いったん酸素と結びつけば過酸化脂質と呼ばれる強烈な有毒物質に変化して、身体の内部のいたる所に障害をもたらす、きわめて恐ろしい存在となるのです。その恐ろしさは到底コレステロールの比ではありません。
コレステロールを気にするあまりに、せっかく味覚を犠牲にしてまでバターからマーガリンに変えたことが、かえってより有害な物質を体内にかかえ込むことにことになるわけですから、こんなに皮肉なことはありません。
体内に有毒物質を発生させておきながら、内臓や血管の健康状態を維持することなど望むべくもありません。
内臓や血管の機能障害をもたらす恐ろしい有害物質を防ぐことが何よりも大切になってきます。
コレステロールの代謝分解に役立つとして最近特にもてはやされている栄養素ですが、良い面だけがあまりにも強調され過ぎているように思われます。
リノール酸は不飽和状態にある脂肪酸ですから、きわめて酸素と結びつきやすい状態にあり、いったん酸素と結びつけば過酸化脂質と呼ばれる強烈な有毒物質に変化して、身体の内部のいたる所に障害をもたらす、きわめて恐ろしい存在となるのです。その恐ろしさは到底コレステロールの比ではありません。
コレステロールを気にするあまりに、せっかく味覚を犠牲にしてまでバターからマーガリンに変えたことが、かえってより有害な物質を体内にかかえ込むことにことになるわけですから、こんなに皮肉なことはありません。
体内に有毒物質を発生させておきながら、内臓や血管の健康状態を維持することなど望むべくもありません。
内臓や血管の機能障害をもたらす恐ろしい有害物質を防ぐことが何よりも大切になってきます。
2,ビタミンの働き
私たちが身体の維持のために摂り入れた栄養素の有効な活用を助け、円滑な代謝作用によって有毒物質の発生をも防ぐ重要な役割を担っているのがビタミン類です。
ビタミンは、たんぱく質・脂質・炭水化物といった三大栄養素とは異なり、ミリグラム単位のごく微量で必要量に達する半面、そのごく微量が絶対に欠かすことの出来ない物なのです。
体内では合成されず、食物の中に存在する物を摂取する他ありません。
食物の中に含まれている分量もミリグラムから種類によってはミクロン単位の微量であり、しかもあるビタミンはある食物には含まれていても他の食品には含まれていないといった具合に、ビタミン各種がそれぞれ特定の食品の中に片寄って存在しているといった特徴があります。
ビタミンは、たんぱく質・脂質・炭水化物といった三大栄養素とは異なり、ミリグラム単位のごく微量で必要量に達する半面、そのごく微量が絶対に欠かすことの出来ない物なのです。
体内では合成されず、食物の中に存在する物を摂取する他ありません。
食物の中に含まれている分量もミリグラムから種類によってはミクロン単位の微量であり、しかもあるビタミンはある食物には含まれていても他の食品には含まれていないといった具合に、ビタミン各種がそれぞれ特定の食品の中に片寄って存在しているといった特徴があります。
私たちの食生活をふりかえってみると、とかく好き嫌いがあったり、忙しさにまぎれてついついお手軽に走りがちになることは否定出来ない面があります。
ビタミン各種がかなり片寄った存在をしているだけに、ミリグラム単位で満ち足りるはずの物が現実にはとかく不足しがちになったり、バランスを欠いたりする危険性が高いのです。
実際に、日本の厚生省や大学などで行われている栄養調査でもビタミンCだけが必要摂取量に達していると言われており、日本人のビタミン摂取に関する認識が不充分であり、食生活が片寄っていることを物語っています。
しかも、日本の厚生省が発表している栄養所要量に示されているビタミン類はわずか六種類にすぎません。
ビタミンA
ビタミンB1
ビタミンB2
ナイアシン
ビタミンC
ビタミンD
以上の六種類についてのみ、その所要量が男女別・年齢別に示されています。
ビタミンB6
ビタミンE
ビタミンF
などの重要性は、日本人の食生活がどんどん欧風化していくにつれて厚生省が掲げている六種類のビタミンの重要性以上とも思えるのですが、所要量すら示されていないのですから果たして満足のいく量が摂取されているか気になるところと言えましょう。
ビタミン各種がかなり片寄った存在をしているだけに、ミリグラム単位で満ち足りるはずの物が現実にはとかく不足しがちになったり、バランスを欠いたりする危険性が高いのです。
実際に、日本の厚生省や大学などで行われている栄養調査でもビタミンCだけが必要摂取量に達していると言われており、日本人のビタミン摂取に関する認識が不充分であり、食生活が片寄っていることを物語っています。
しかも、日本の厚生省が発表している栄養所要量に示されているビタミン類はわずか六種類にすぎません。
ビタミンA
ビタミンB1
ビタミンB2
ナイアシン
ビタミンC
ビタミンD
以上の六種類についてのみ、その所要量が男女別・年齢別に示されています。
ビタミンB6
ビタミンE
ビタミンF
などの重要性は、日本人の食生活がどんどん欧風化していくにつれて厚生省が掲げている六種類のビタミンの重要性以上とも思えるのですが、所要量すら示されていないのですから果たして満足のいく量が摂取されているか気になるところと言えましょう。
さて、ビタミン類は自然界に存在する諸々の食品の中にそれぞれ片寄った形で存在しています。
世の栄養学者が常に説くように、バランスのとれた食事さえ摂り続けていたら、すべてのビタミン類の必要量が問題なくまかなわれる理屈です。
バランスのとれた食生活によって、ビタミン類だけではなく、すべての栄養素を過不足なく摂ること――それが最も理想的な姿であり健康を守る食事の基本であることは誰しも否定するところではありません。
問題は、この誰も否定せぬ理想的な食生活が、言うはやすく、なかなか実行が出来にくい点にあるのではないでしょうか。
みなさんが毎日三度三度の食事の献立を立てる時、栄養バランスを厳密に計算しているだけの余裕があるでしょうか。
おおよそのカロリー計算ぐらいならまだ可能かもしれません。
でも、特に重要なものだけでも10種類ほどを数えるビタミンについて、ミリグラム単位のバランス計算が本当に可能でしょうか。
家族の一人一人の好みもあります。季節毎に代わる材料、そしてその価格変動。
その中でいかに飽きのこないよう目先の変わった材料を取りそろえ、調理法に変化をつけるか、それだけで精一杯というのが現実の私たちの姿ではないでしょうか。
このように考えてみると、バランスのとれた食生活によってすべてのビタミン類の必要量をまかなうことが、いかに容易でないかおわかり頂けると思います。
世の栄養学者が常に説くように、バランスのとれた食事さえ摂り続けていたら、すべてのビタミン類の必要量が問題なくまかなわれる理屈です。
バランスのとれた食生活によって、ビタミン類だけではなく、すべての栄養素を過不足なく摂ること――それが最も理想的な姿であり健康を守る食事の基本であることは誰しも否定するところではありません。
問題は、この誰も否定せぬ理想的な食生活が、言うはやすく、なかなか実行が出来にくい点にあるのではないでしょうか。
みなさんが毎日三度三度の食事の献立を立てる時、栄養バランスを厳密に計算しているだけの余裕があるでしょうか。
おおよそのカロリー計算ぐらいならまだ可能かもしれません。
でも、特に重要なものだけでも10種類ほどを数えるビタミンについて、ミリグラム単位のバランス計算が本当に可能でしょうか。
家族の一人一人の好みもあります。季節毎に代わる材料、そしてその価格変動。
その中でいかに飽きのこないよう目先の変わった材料を取りそろえ、調理法に変化をつけるか、それだけで精一杯というのが現実の私たちの姿ではないでしょうか。
このように考えてみると、バランスのとれた食生活によってすべてのビタミン類の必要量をまかなうことが、いかに容易でないかおわかり頂けると思います。
さらに、ビタミン類は計算通りに摂取したつもりでも、意外なほど多くの部分が調理の過程で失われたり、体内でこわれてしまったり、吸収されなかったりで、有効利用度の低いものであることにも注意を払わねばなりません。
ビタミンB類やビタミンC類は水溶性のビタミンですが、この水溶性というのは文字通り水に大変溶けやすいという意味です。
ですから、水溶性ビタミンであるビタミンB類やビタミンCは食品を水で洗うだけで、かなりの分量が洗い水の中に流れ出てしまいます。
ビタミンCを摂るつもりでサラダを好む人々が多いのですが、サラダに使われている水にさらしたレタスなど何の栄養価値もありません。
日本人が主食とする白米は、胚芽部分を取り除くことですでに貴重なビタミンB類の多くを失っていますが、炊飯の時、水でとぐために、残ったビタミンB類もまた流出してしまいます。
白米のご飯はよくとげばとぐほどおいしそうですが、栄養の点だけからみれば疑問の残る調理法であると言えます。
ビタミンCやビタミンAが酸化されやすいことは前に述べた通りです。
家庭電器の普及が進んでいる日本ではほとんどの家にジューサーやミキサーが備えられているとのことですが、ビタミンCの豊富な果物をジューサーやミキサーにかけることは、わざわざビタミンCに酸素とのふれあいのチャンスを増やしてこわしているようなもので、実にもったいないことをするものと思います。
ビタミンB類やビタミンC類は水溶性のビタミンですが、この水溶性というのは文字通り水に大変溶けやすいという意味です。
ですから、水溶性ビタミンであるビタミンB類やビタミンCは食品を水で洗うだけで、かなりの分量が洗い水の中に流れ出てしまいます。
ビタミンCを摂るつもりでサラダを好む人々が多いのですが、サラダに使われている水にさらしたレタスなど何の栄養価値もありません。
日本人が主食とする白米は、胚芽部分を取り除くことですでに貴重なビタミンB類の多くを失っていますが、炊飯の時、水でとぐために、残ったビタミンB類もまた流出してしまいます。
白米のご飯はよくとげばとぐほどおいしそうですが、栄養の点だけからみれば疑問の残る調理法であると言えます。
ビタミンCやビタミンAが酸化されやすいことは前に述べた通りです。
家庭電器の普及が進んでいる日本ではほとんどの家にジューサーやミキサーが備えられているとのことですが、ビタミンCの豊富な果物をジューサーやミキサーにかけることは、わざわざビタミンCに酸素とのふれあいのチャンスを増やしてこわしているようなもので、実にもったいないことをするものと思います。
ビタミンについては、ビタミン間相互の組み合わせにも留意する必要があります。
すなわち、ビタミン類は組み合わせによって相乗的効果を発揮する場合もあれば、これとは逆にビタミン同士の仲が悪く、協調出来ない組み合わせもあるのです。
ビタミンAとビタミンCの場合が協調出来ない組み合わせに相当します。
この場合、ビタミンAの方が力が強く、ビタミンCの効力が損なわれてしまいます。
このことをビタミン間の拮抗作用と呼びます。
朝食にビタミンAを補給するべくレバーペーストをパンにつけて食べ、ビタミンCを摂るつもりでレモンジュースを飲んだとしても、このレモンジュースに含まれているビタミンCはレバーペーストの中のビタミンAの力でこわされてしまう可能性が高いということです。
すなわち、ビタミン類は組み合わせによって相乗的効果を発揮する場合もあれば、これとは逆にビタミン同士の仲が悪く、協調出来ない組み合わせもあるのです。
ビタミンAとビタミンCの場合が協調出来ない組み合わせに相当します。
この場合、ビタミンAの方が力が強く、ビタミンCの効力が損なわれてしまいます。
このことをビタミン間の拮抗作用と呼びます。
朝食にビタミンAを補給するべくレバーペーストをパンにつけて食べ、ビタミンCを摂るつもりでレモンジュースを飲んだとしても、このレモンジュースに含まれているビタミンCはレバーペーストの中のビタミンAの力でこわされてしまう可能性が高いということです。
さらに、ビタミン類の中には過剰に摂取した場合、身体にとって役に立つどころか、かえって栄養障害を起こして脱毛の原因となったり、動脈硬化を引き起こしたりする場合さえあります。
北極圏に住むエスキモーは魚や海獣の肉を常食としていますが、苛酷な寒気の中で身体を守るため、保湿作用を持つビタミンAの摂取量が極端に多いのです。
エスキモーの生活環境の中で必要とされるビタミンAの摂取量をもし私たちが同じように摂ったとしたら、たちまちにしてビタミンA過剰の症状が表れることでしょう。
このように、ビタミンは深く研究すればするほど、その摂り方や組み合わせ方の重要性を認識させられる、まことにデリケートな栄養素と言えます。
北極圏に住むエスキモーは魚や海獣の肉を常食としていますが、苛酷な寒気の中で身体を守るため、保湿作用を持つビタミンAの摂取量が極端に多いのです。
エスキモーの生活環境の中で必要とされるビタミンAの摂取量をもし私たちが同じように摂ったとしたら、たちまちにしてビタミンA過剰の症状が表れることでしょう。
このように、ビタミンは深く研究すればするほど、その摂り方や組み合わせ方の重要性を認識させられる、まことにデリケートな栄養素と言えます。
私たち―― グランデル博士とその研究スタッフ ――が、「内面からの美容」――インサイド・コスメティック(ビューティキャップ)の開発に着手して以来、研究の期間を通じて最も苦労させられたのがビタミン類のコンビネーションであり、どの種のビタミンをどのような数値で組み合わせを行えば最も効率の高い機能を発揮するか
―― のバランス計算に大部分の時間があてられたのでした。
第三章 「完全なるコスメティック」への道
健康という名の基礎化粧品
私たちの周辺には皮膚の機能に何らかの障害を起こしている女性が数多く見られます。
ヨーロッパでは特に、皮脂分泌の過剰によるギラギラした油肌に悩む女性が多く、そのほとんどが難治なニキビ・吹出物のトラブルをかかえています。
逆に、おそらくは日本の方々の想像を超えるであろう北ヨーロッパの冬の寒気の中で、皮膚の表面を守るべき皮脂や水分の分泌量が足らないため、肌荒れに泣かされている女性も多いのです。
髪のトラブル、すなわち抜け毛や切れ毛、枝毛の問題も無視出来ません。
爪の発育不全で痛みを訴えたり、つま先が割れたりといった悩みもまた、特に女性には多いようです。
私たちが美しさを表現するために造形の髪から与えられた肌・髪・爪についてのこのようなトラブルは、つづまるところ肌・髪・爪を構成している細胞にトラブルが発生していることに他ならず、新陳代謝活動がうまく行われていないことを物語っています。
ヨーロッパでは特に、皮脂分泌の過剰によるギラギラした油肌に悩む女性が多く、そのほとんどが難治なニキビ・吹出物のトラブルをかかえています。
逆に、おそらくは日本の方々の想像を超えるであろう北ヨーロッパの冬の寒気の中で、皮膚の表面を守るべき皮脂や水分の分泌量が足らないため、肌荒れに泣かされている女性も多いのです。
髪のトラブル、すなわち抜け毛や切れ毛、枝毛の問題も無視出来ません。
爪の発育不全で痛みを訴えたり、つま先が割れたりといった悩みもまた、特に女性には多いようです。
私たちが美しさを表現するために造形の髪から与えられた肌・髪・爪についてのこのようなトラブルは、つづまるところ肌・髪・爪を構成している細胞にトラブルが発生していることに他ならず、新陳代謝活動がうまく行われていないことを物語っています。
肌・髪・爪にいたる血液の循環が順調で、十分な栄養補給が行われている限り、このようなトラブルは起こりえないはずなのです。
ですから、肌・髪・爪に発生したこれらのトラブルを解消しようと思うなら、まず血行の良し悪しはどうか、次いで栄養のバランスがとれているかどうか、とれているとしても、せっかくの栄養素が末端細胞にまで行き渡らないような何らかの障害が起きていないかどうか、といった点についてチェックしてみる必要があります。
言いかえれば、要は身体中の細胞を生き生きと活動させる条件をそろえてやりさえすれば、自動的に肌は健康美に輝き、髪は自然のつややかさを取り戻し、爪は健全な硬度をもって明るい光沢を示すはずなのです。
ですから、肌・髪・爪に発生したこれらのトラブルを解消しようと思うなら、まず血行の良し悪しはどうか、次いで栄養のバランスがとれているかどうか、とれているとしても、せっかくの栄養素が末端細胞にまで行き渡らないような何らかの障害が起きていないかどうか、といった点についてチェックしてみる必要があります。
言いかえれば、要は身体中の細胞を生き生きと活動させる条件をそろえてやりさえすれば、自動的に肌は健康美に輝き、髪は自然のつややかさを取り戻し、爪は健全な硬度をもって明るい光沢を示すはずなのです。
2,内面美容のバックボーン ―― グランデル博士
フェリックス・グランデル博士――ドイツの古都アウグスブルクに創業以来1000年もの長い歴史を誇る、ドイツでも有数の名門企業の当主として生まれ、ヨーロッパ生薬の伝統を受け継いで数々の植物栄養エキスを研究開発し、世に送り出してきた偉大な栄養学者です。
いまや植物性活性栄養素の宝庫として広く知られるに至った小麦胚芽に着目して、いちはやく商品化を成功させたのもグランデル博士その人であり、「植物栄養療法のパイオニヤ」の賛辞をあびるにふさわしい、すぐれたリーダーであります。
いまや植物性活性栄養素の宝庫として広く知られるに至った小麦胚芽に着目して、いちはやく商品化を成功させたのもグランデル博士その人であり、「植物栄養療法のパイオニヤ」の賛辞をあびるにふさわしい、すぐれたリーダーであります。
近代医学・近代薬学の美名の下に、マスプロによる化学合成品が薬剤や化粧品原料の主流と化していく中で、グランデル博士はかたくななまでに「自然派」を標榜し、あえて工場規模の大型化の道をとらず、伝統あるヨーロッパ生薬の路線を守ってきました。
そのグランデル博士の信念が生み出した幾種類もの植物エキスは、「自然派」に共鳴する多くの化粧品会社に供給され、公害をもたらすおそれのない化粧品ベースとして私たち女性の肌を守ってくれています。
また、これらの植物エキスをベースにして作られた栄養食品の数々は、レフォルムハウス(ドイツ自然食品協会連盟店)におけるベストセラーを次々と生み出し、健康保持と健康増進を願う多くの人々によって圧倒的な支持を受け広く愛用されています。
そのグランデル博士の信念が生み出した幾種類もの植物エキスは、「自然派」に共鳴する多くの化粧品会社に供給され、公害をもたらすおそれのない化粧品ベースとして私たち女性の肌を守ってくれています。
また、これらの植物エキスをベースにして作られた栄養食品の数々は、レフォルムハウス(ドイツ自然食品協会連盟店)におけるベストセラーを次々と生み出し、健康保持と健康増進を願う多くの人々によって圧倒的な支持を受け広く愛用されています。
「美と健康と自然」――これが私たちグランデル博士一門の基本テーマです。
私たちは、”真の美しさは、身体の中からにじみ出る健康美にある”という原点に立って、「内面美容」の必要性を主張してきました。
私たちの思想をただ学会や論文発表の場での主張に終わらせることなく、現実の物とするために、私たちは何をしなければならないか。
「内面からの美容」を可能ならしめるインサイド・コスメティックの完成こそが私たちに課せられた命題であったのです。
コスメティック―「化粧品」―は、皮膚の外部に施されるものという概念が世界的に確立している中で、健康こそ美容上のあらゆるトラブルを根本的に解消する基礎化粧品という視野に立って、インサイド・コスメティック――「身体の内部からの化粧品」――をタイトルとして掲げたことは、世の確立された概念に対する大いなる挑戦でありました。
私たちは、”真の美しさは、身体の中からにじみ出る健康美にある”という原点に立って、「内面美容」の必要性を主張してきました。
私たちの思想をただ学会や論文発表の場での主張に終わらせることなく、現実の物とするために、私たちは何をしなければならないか。
「内面からの美容」を可能ならしめるインサイド・コスメティックの完成こそが私たちに課せられた命題であったのです。
コスメティック―「化粧品」―は、皮膚の外部に施されるものという概念が世界的に確立している中で、健康こそ美容上のあらゆるトラブルを根本的に解消する基礎化粧品という視野に立って、インサイド・コスメティック――「身体の内部からの化粧品」――をタイトルとして掲げたことは、世の確立された概念に対する大いなる挑戦でありました。
3,若さを保つ天然ビタミンE
小麦の「生命の源泉」部分を抽出
1960年、ドイツ油脂学会の勧奨に応じてインサイド・コスメティックの確立を目指し研究に着手した私たちの手元には、幸いにもその手掛かりとなるに充分な武器がそろえられていました。
「植物栄養療法のパイオニヤ」の賛辞をほしいままにしたグランデル博士ご自慢の小麦胚芽からの抽出エキスをはじめ、米・ゴマ・コーンなどの穀物の中に秘められた「次なる生命の源泉」ともいうべき抽出エキスの数々が、それぞれ豊富な活性栄養素の宝庫として私たちの前に用意されていたのです。
これら穀物胚芽から抽出した活性栄養素の中で、油溶性の物の代表選手として、天然ビタミンEの持つ数々の特性はすでに広く知られておりました。
「植物栄養療法のパイオニヤ」の賛辞をほしいままにしたグランデル博士ご自慢の小麦胚芽からの抽出エキスをはじめ、米・ゴマ・コーンなどの穀物の中に秘められた「次なる生命の源泉」ともいうべき抽出エキスの数々が、それぞれ豊富な活性栄養素の宝庫として私たちの前に用意されていたのです。
これら穀物胚芽から抽出した活性栄養素の中で、油溶性の物の代表選手として、天然ビタミンEの持つ数々の特性はすでに広く知られておりました。
第二次世界大戦の直後、”フジヤマのトビウオ”古橋選手を頂点とする日本水泳陣の国際舞台での大活躍は、敗戦にうちひしがれた日本人を勇気づけ、再起への自信を取り戻す光明とも言うべき素晴らしいものでした。
けれども、彼等の世界制覇は短命に終わり、あっという間に米国水泳陣によってその地位を奪われてしまったのです。
米国の国家威信をかけた強化訓練もさることながら、米国水泳陣が短期間に急速に力をつけていったその陰には、いちはやくビタミンEの持つ省酸素特性に着目した米国の栄養学者による、競泳選手たちへのビタミンEの積極投与の効果に負うところが大であったという興味深いエピソードも聞こえてきておりました。
けれども、彼等の世界制覇は短命に終わり、あっという間に米国水泳陣によってその地位を奪われてしまったのです。
米国の国家威信をかけた強化訓練もさることながら、米国水泳陣が短期間に急速に力をつけていったその陰には、いちはやくビタミンEの持つ省酸素特性に着目した米国の栄養学者による、競泳選手たちへのビタミンEの積極投与の効果に負うところが大であったという興味深いエピソードも聞こえてきておりました。
ビタミンEの持つ省酸素特性とは、すなわち摂り入れた酸素の有効利用度が高いことを意味しますから、心臓は負担なく働くことができ、血液の循環がスムースに行われます。
加えて、ビタミンEの持つ末梢血管拡張の作用とも相まって、末端細胞のすみずみにいたるまで充分な血液の流れが保証されることとなります。
細胞の活性の源である酸素と栄養素の供給も、新陳代謝によって発生する老廃物の運び出しも、共に血液の流れに乗って行われるわけですから、充分な血液循環の整備こそが第一です。
加えて、ビタミンEの持つ末梢血管拡張の作用とも相まって、末端細胞のすみずみにいたるまで充分な血液の流れが保証されることとなります。
細胞の活性の源である酸素と栄養素の供給も、新陳代謝によって発生する老廃物の運び出しも、共に血液の流れに乗って行われるわけですから、充分な血液循環の整備こそが第一です。
さて、せっかく栄養充分な食事を摂ったところで、その栄養素が末端細胞にまで送り届けられる前に破壊損傷されるとしたらどうなることでしょう。
経済的にも大変なロスであることはもちろんのことですが、もっと大変なのは、前線基地とも言うべき末端細胞が補給を絶たれて空しく立ち枯れてしまうことです。
「栄養素が体内でこわされる?そんな馬鹿な…」と言われるかもしれませんが、現実には相当量の栄養素が破壊されて空しくなっているのです。
その元凶は、何と酸素なのです。
私たち人間が生きていく上で、酸素が必須欠かすべからざる物であることは、改めて言うまでもありません。
心臓の細胞は酸素の供給が絶たれてわずか30秒で死んでしまうと言われています。
ところが、この酸素には物を破壊し変質させるといった困った性格があわせ備わっていることは、前にも述べた通りです。
例えば、金属が錆びるのも、食物が腐敗するのも、酸化現象すなわち酸素の力で変質させられた状態を表しています。
私たちが呼吸によって体内にとり入れた酸素は、血液の流れに乗って身体中の細胞の活性源になりますが、それと共に片一方では、せっかく摂取した栄養素を酸化損傷させるやっかいな面をも持ち合わせていることにご注意下さい。
ビタミンAやビタミンCは特に酸化されやすい栄養素ですから、計算上は充分に摂取したはずなのに欠乏症状が起きているといったことはままあることなのです。
摂取したはずの栄養素が体内でこわされてしまうだけならまだ良いのですが、酸化変質した栄養素がとんでもない毒素と化して、逆に細胞を損傷してまわるといった恐ろしい状態も発生します。
前にも少しふれた、過酸化脂質と呼ばれる有害物質がそれです。
動脈硬化からガンにいたるまで、極端な言い方をすれば成人病のすべての原因とさえ言われている過酸化脂質も、元はと言えば身体に良いはずの植物性油が酸化変質した物なのです。
日本料理の代表的な物の一つである天ぷらをはじめ、フライなどの油料理のあとで、ついうっかりフライパンに油を残したまま放置すると、油はだんだん黒ずんできて、ついにはプーンといやなにおいを発するようになりますが、この腐敗変質した油が過酸化脂質の実体なのです。
あのような代物が私たちの身体の中に発生して、肺といわず肝臓といわず大事な臓器に取りついて血液中に流れ出し、ところかまわず細胞に害を与えるのですから、想像するだけで身の毛がよだつ思いがするはずですがいかがでしょう。
せっかくの栄養素が酸素によって空しくこわされてしまうのみか、身の毛がよだつような恐ろしい毒物が発生する――何と大変なことでしょう。
でもご安心下さい。天然ビタミンEにはこのような酸化変質を防いでくれる力があるのです。
天然ビタミンEには、天然の抗酸化性という素晴らしい特性が備わっていて、酸化されやすい栄養素を酸素の暴力から守ってくれるわけです。
本当に有難い、強い味方があったものと神様に感謝したい気持ちになるのは私だけでしょうか。
前にも少しふれた、過酸化脂質と呼ばれる有害物質がそれです。
動脈硬化からガンにいたるまで、極端な言い方をすれば成人病のすべての原因とさえ言われている過酸化脂質も、元はと言えば身体に良いはずの植物性油が酸化変質した物なのです。
日本料理の代表的な物の一つである天ぷらをはじめ、フライなどの油料理のあとで、ついうっかりフライパンに油を残したまま放置すると、油はだんだん黒ずんできて、ついにはプーンといやなにおいを発するようになりますが、この腐敗変質した油が過酸化脂質の実体なのです。
あのような代物が私たちの身体の中に発生して、肺といわず肝臓といわず大事な臓器に取りついて血液中に流れ出し、ところかまわず細胞に害を与えるのですから、想像するだけで身の毛がよだつ思いがするはずですがいかがでしょう。
せっかくの栄養素が酸素によって空しくこわされてしまうのみか、身の毛がよだつような恐ろしい毒物が発生する――何と大変なことでしょう。
でもご安心下さい。天然ビタミンEにはこのような酸化変質を防いでくれる力があるのです。
天然ビタミンEには、天然の抗酸化性という素晴らしい特性が備わっていて、酸化されやすい栄養素を酸素の暴力から守ってくれるわけです。
本当に有難い、強い味方があったものと神様に感謝したい気持ちになるのは私だけでしょうか。
さて、ビタミンEによって血行が良くなり、身体のすみずみまで栄養素を行き渡らせる案件が整備されました。
同じくビタミンEのおかげで、栄養素を酸素の破壊力から守って、有効に活用出来ることとなりました。
この重要なビタミンEは、穀物類の胚芽の中に含まれているのをはじめ、卵やレバーなどの動物性食品からも摂ることが出来ます。
ただ、ここでちょっと注意を要するのが、一口にビタミンEとはいっても、実は8種類もの異なった型があるということです。
主な物だけでも4種類の型があり、それぞれ、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタといった等級がつけられています。
ビタミンEの持つ特性の有効力に最も富むのが、第一等級を表わす「アルファ型」であることは言うまでもありません。
自然界には、ベータ型はそれほど多く存在せず、ガンマ型およびデルタ型が多いのですが、ビタミンEとしての有効特性についてそれぞれの型を比較してみると、アルファ型を基準にした場合、ガンマ型でせいぜい10程度であり、デルタ型にいたってはわずか2%しか持ち合わせておりません。
最近になってビタミンEの持つ数々の有効特性が知れ渡るにつれて、いわゆるビタミンE剤が次々と発売されておりますが、同じビタミンEという呼称ではあっても、合成品だったり、天然には違いなくても有効力が極端に落ちるガンマ型・デルタ型のものが市販品の中にかなりの部分を占めていることに注意を払う必要があります。
同じくビタミンEのおかげで、栄養素を酸素の破壊力から守って、有効に活用出来ることとなりました。
この重要なビタミンEは、穀物類の胚芽の中に含まれているのをはじめ、卵やレバーなどの動物性食品からも摂ることが出来ます。
ただ、ここでちょっと注意を要するのが、一口にビタミンEとはいっても、実は8種類もの異なった型があるということです。
主な物だけでも4種類の型があり、それぞれ、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタといった等級がつけられています。
ビタミンEの持つ特性の有効力に最も富むのが、第一等級を表わす「アルファ型」であることは言うまでもありません。
自然界には、ベータ型はそれほど多く存在せず、ガンマ型およびデルタ型が多いのですが、ビタミンEとしての有効特性についてそれぞれの型を比較してみると、アルファ型を基準にした場合、ガンマ型でせいぜい10程度であり、デルタ型にいたってはわずか2%しか持ち合わせておりません。
最近になってビタミンEの持つ数々の有効特性が知れ渡るにつれて、いわゆるビタミンE剤が次々と発売されておりますが、同じビタミンEという呼称ではあっても、合成品だったり、天然には違いなくても有効力が極端に落ちるガンマ型・デルタ型のものが市販品の中にかなりの部分を占めていることに注意を払う必要があります。
ビタミンEはあくまでも天然の、しかも第一等級であるアルファ型を対象とするべきであり、アルファ型天然ビタミンEを最も多量に含む食品が小麦胚芽油なのです。
大豆油にもビタミンEが多く含まれていることがよく言われていますが、大豆油が含有しているビタミンEはそのほとんどがガンマ型であって、アルファ型は全体の一割程度にすぎません。
大豆油にもビタミンEが多く含まれていることがよく言われていますが、大豆油が含有しているビタミンEはそのほとんどがガンマ型であって、アルファ型は全体の一割程度にすぎません。
ビタミンEの持つ省酸素特性とは、すなわち摂り入れた酸素の有効利用度が高いことを意味しますから、心臓は負担なく働くことができ、血液の循環がスムースに行われます。
加えて、ビタミンEの持つ末梢血管拡張の作用とも相まって、末端細胞のすみずみにいたるまで充分な血液の流れが保証されることとなります。
細胞の活性の源である酸素と栄養素の供給も、新陳代謝によって発生する老廃物の運び出しも、共に血液の流れに乗って行われるわけですから、充分な血液循環の整備こそが第一です。
加えて、ビタミンEの持つ末梢血管拡張の作用とも相まって、末端細胞のすみずみにいたるまで充分な血液の流れが保証されることとなります。
細胞の活性の源である酸素と栄養素の供給も、新陳代謝によって発生する老廃物の運び出しも、共に血液の流れに乗って行われるわけですから、充分な血液循環の整備こそが第一です。
日本で市販されているビタミンE剤について気に掛かることがあります。
それは、個々の市販品に表示されているビタミンEの含有量についてであります。
すなわち、日本で市販されているビタミンE剤は、ほぼ例外なしにミリグラム単位による重量表示を行っているのです。
こんなことが許されている国は、世界の先進国の中ではまず見当たりません。
賢明なみなさんはすでにお分かりのことでしょう。
型によってまるで有効力の異なるビタミンEをただ単に重量で表示することが、いかにナンセンスであり消費者を欺瞞するものであるか。
一口にビタミンEとは言っても、天然のビタミンと化学合成品とではビタミンとしての性格がずいぶんと違います。
天然品には8種類もの型があって、効力には相当な差があるのです。
ですからビタミンEについてはその含有量の表示方法として、意味のない重量表示を行わず、効力を基準とする国際単位が採用されているのです。
I.Uというのがその国際単位の記号です。
ともかく、型によってまるで効力が違ってしまう物を単純にミリグラム表示で行う神経が私には理解出来ません。
それは、個々の市販品に表示されているビタミンEの含有量についてであります。
すなわち、日本で市販されているビタミンE剤は、ほぼ例外なしにミリグラム単位による重量表示を行っているのです。
こんなことが許されている国は、世界の先進国の中ではまず見当たりません。
賢明なみなさんはすでにお分かりのことでしょう。
型によってまるで有効力の異なるビタミンEをただ単に重量で表示することが、いかにナンセンスであり消費者を欺瞞するものであるか。
一口にビタミンEとは言っても、天然のビタミンと化学合成品とではビタミンとしての性格がずいぶんと違います。
天然品には8種類もの型があって、効力には相当な差があるのです。
ですからビタミンEについてはその含有量の表示方法として、意味のない重量表示を行わず、効力を基準とする国際単位が採用されているのです。
I.Uというのがその国際単位の記号です。
ともかく、型によってまるで効力が違ってしまう物を単純にミリグラム表示で行う神経が私には理解出来ません。
さて、私たち――グランデル博士とその研究スタッフ――は、インサイド・コスメティックを構成する第一の要素としての天然ビタミンEを、小麦胚芽油から抽出したアルファ型に求めました。
小麦胚芽油そのものが、原料の小麦1トンからわずかに100グラムしか採れない貴重なものですが、アルファ型天然ビタミンEはその100グラムの中からさらにわずかの0.2グラムしか抽出出来ないのです。
その比率は何と原料の小麦に対して500万分の1という、どれほど貴重な物であるかがよくお分かり願えると思います。
小麦胚芽油そのものが、原料の小麦1トンからわずかに100グラムしか採れない貴重なものですが、アルファ型天然ビタミンEはその100グラムの中からさらにわずかの0.2グラムしか抽出出来ないのです。
その比率は何と原料の小麦に対して500万分の1という、どれほど貴重な物であるかがよくお分かり願えると思います。